平成25年度税制改正により、相続税の改正が発表されました。
平成27年1月1日以後の相続について、相続税の基礎控除が引き下げられ、課税対象者が大幅に増える見込みです。改正についてポイントを絞って確認しておきましょう。
【相続税の基礎控除の縮小】
相続税の基礎控除が縮小されます。詳細を確認していきましょう。
今の制度では、両親と子供2人の4人家族で「父親」が亡くなった場合、不動産や金融資産などをあわせて遺産が8,000万円あっても相続税はかかりません。
現行:5,000万円+1,000万円×法定相続人の数
改正後:3,000万円+600万円×法定相続人の数
基礎控除が6割に縮小されました。基礎控除は、相続税の申告が必要になるかどうかのボーダーラインです。遺産が基礎控除以下の場合には、相続税の申告は不要です。しかし、遺産が基礎控除を超える場合には、相続税の申告が必要になります。
国の試算では、相続税の課税割合は、4.2%から6%程度に増え、3,000億円の増税になる見込みです。
問題は、その対象となるのが必ずしも富裕層とは言えないことなのです。
地価の高い地域では深刻です。暮らしぶりが決して裕福と言えない人たちでも持ち家の
評価が高いというだけで、相続税の負担がのしかかる可能性があります。
既に父親が亡くなっている場合で、母親が亡くなり、子供たちが相続する「二次相続」の場合も問題です。配偶者の特別控除はありませんし、子供たちが独立して別居していれば「小規模宅地等の評価減」も使えません。
相続税は10か月以内に現金で支払わなければなりません。払えなければ親の土地を手放さざるを得なくなります。アベノミクスで地価が上昇すれば、そうした人が増えてくるのは避けられません。
親が築いた財産を守るために、早めに相続の準備をしておく必要があるでしょう。