平成28年度税制改正では、通勤手当の非課税限度額引上げが予定されています。今回はこの引上げについてお伝えいたします。
□通勤手当の非課税限度額
通常の給与に加算して理事やスタッフへ支給する通勤手当は、一定の金額まで所得税がかかりません(非課税)。この“所得税がかからない一定の金額まで”のことを「非課税限度額」といいます。
支給する通勤手当のうち非課税限度額を超える分について、所得税(及び復興所得税)の課税対象となります。
□通勤手当の非課税限度額引上げ
平成27年12月24日に閣議決定された平成28年度税制改正の大綱によりますと、通勤手当の非課税限度額について、次のように記載がされています。
通勤手当の非課税限度額を月額15万円(現行10万円)に引き上げる。
この改正は平成28年度1月1日以降に受けるべき通勤手当について適用する。
通勤手当の非課税限度額について、改正前後でどのように変わるのか、一覧表を作成しました。
ご覧いただいてお分かりの通り、今回改正が予定されているのは、上記①③④の最高限度になります。
平成26年に②が改正されたばかりですが、最高限度の改正は平成10年度以来となります。
今回の改正の背景について、平成27年12月16日に政府与党(自由民主党及び公明党)から公表された平成28年度税制改正大綱によりますと、“通勤手当の非課税限度額について、新幹線を利用した地方から大都市圏への通勤など、近年における通勤手当の実態等を踏まえ、引上げを行う”と記載されていました。
また報道等によれば、地方から都市部に通うサラリーマンの負担を軽減し、地方の定住を促進する意図もあるようです。