「年収の壁103万円から160万円にー令和7年度税制改正④」
前回こちらの記事で19歳以上23歳未満の特定扶養親族についてご案内させていただきました。(納税者が19歳以上23歳未満のお子様を扶養に入れている場合のご案内です。)
その際の内容を要約すると、
①増設された「特定親族特別控除」では合計所得金額85万円以下(給与のみの場合は給与収入が150万円以下)であれば納税者は満額の控除(63万円)が受けられる。
②給与収入が150万円を超えた場合でも、給与収入188万円までは「特定親族特別控除」が適用できるが、納税者の控除額は給与収入に応じて段階的に減少する。
③給与収入が160万円以下であれば本人には所得税はかかってこないが、納税者が特定親族特別控除を最大の63万円受けるには給与収入150万円以下である必要がある。
④(自治体により若干の差がありますが、)給与収入が100万円を超えると本人に住民税がかかってくる。
⑤給与収入が130万円(勤務先の規模によっては106万円)を超えると社会保険の扶養から外れ本人が自分で国民健康保険や国民年金に加入するか勤務先の社会保険に加入する必要がある。
という内容になっていました。
しかし、タイトルのとおり2025年10月からの健康保険制度について新たに「150万円の壁」が登場しました。
こちらは上記⑤の内容が更新されており、19歳以上23歳未満(特定扶養親族)に限り、社会保険の扶養上限が給与収入150万円未満に引き上げられています。
つまり130万円を超えると社会保険の扶養から外れて本人が自分で国民健康保険や国民年金に加入するか勤務先の社会保険に加入する必要があったところの130万円の上限が150万円未満に引き上げられたということになります。
※ただし週の所定労働時間と、1ヶ月の所定労働日数が正社員の3/4以上の場合は勤務先で社会保険に加入することになりますのでご注意下さい。
勤務先で社会保険に加入している従業員が51人以上の場合には給与収入106万円を超えると本人が社会保険に加入する必要がありましたが、次の4つの要件の中に1つでも当てはまらない項目がある場合には勤務先で社会保険に加入する必要はなく、給与収入150万円未満であれば親等の社会保険の扶養となることができます。
①週の勤務時間が20時間以上
②給与が月額88,000円以上
③2ヶ月を超えて働く予定がある
④学生ではない
今回の改正により、19歳以上23歳未満の特定扶養親族で要件を満たす者については、給与収入150万円までは所得税もかからず、社会保険の扶養から外れることもなく、そして納税者も満額63万円の控除が受けられるということになりました。(住民税はこれまでどおり自治体により若干の差がありますが給与収入100万円を超えると本人にかかってきます。)
こちらの改正は19歳以上23歳未満の特定扶養親族に限った改正となっており、年齢要件(19歳以上23歳未満)の判定は、扶養認定日が属する年の12月31日時点の年齢で判定されます。例えば、扶養認定を受ける方が令和7年11月に19歳の誕生日を迎える場合には、令和7年における年間収入要件は150万円未満となります。(※日本年金機構HPより)
19歳以上23歳未満のお子様を扶養に入れている方は今一度確認をお願いいたします。











