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社会保険加入促進強化の動き

 前回に引き続き、今回は「社会保険加入促進強化の動き」についてお話させていただきます。

 

 

2.加入促進強化の動き

 最近、建設業界では、監督官庁の働きかけにより、元請会社が下請会社に社会保険に加入するよう厳しく指導するようになってきています。元請会社に「社会保険に加入していない会社には仕事を発注できない」、「社会保険に加入させていない作業員は現場に立ち入りさせない」と言われ、慌てて社会保険に加入するケースもみられます。一方、元請会社には、単に見積金額が安いというだけでなく、適正に社会保険料を含めているかをチェックし、そうした業者の中から発注先を選ぶように指導が行われています。

 

 また、社会保険への加入促進を直接担当する年金事務所でも、厳しい姿勢が目立ってきています。以前は、加入を促す書面やパンフレット類を未加入企業に郵送するのが中心でしたが、最近は日時を指定して年金事務所への出頭通知を出したり、それでも言うことを聞かない会社には立入検査を行う事例もみられています。

 

 立入検査となると一大事です。2年間遡って保険料を徴収されるため、前述の月給20万円の人が5人いる会社の場合、会社負担、本人負担合計で700万円近い保険料を請求されることとなり、小さな会社にとっては死活問題ともなりかねません。

 

 社会保険に未加入の会社の従業員は、国民年金、国民健康保険を支払っていないケースも多く、社会保障制度全体の維持、無年金者増加の防止、公平な負担といった観点から社会保険加入促進が強化されているように思われます。前述のように、小さな会社にとっては、社会保険への加入はたやすいことではないのですが、いつまでも逃げていられなくなってきています。

 「いつかは加入しなければならない」と覚悟を決めて、社会保険料負担に耐えうる体力をつけるべく、経営の質を高めていく必要がありそうです。

 

2014年07月29日

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