今回は確定申告で気をつけたいポイントの最後です。
1.年の途中から事業的規模になった場合の青色申告申請手続き
確定申告の際、青色申告の特典を受けるためには税務署に「青色申告の承認申請書」を提出期限までに提出する必要があります。
提出期限は以下の通りです。(相続により事業を承継した場合はここでは省略します。)
(1)原則
新たに青色申告の申請をする人は、その年の3月15日
(2)新規開業した場合(その年の1月16日以後に新規に業務を開始した場合)
事業を開始した日から2ヶ月以内
では、今まで不動産貸付業(事業的規模でない)を行っていた人が、年の途中から事業所得を生ずべき事業を開始した場合、その事業を開始した日から2ヶ月以内に青色承認申請書を提出したら本年から青色申告が認められるのでしょうか?
新規事業を開始した場合とは、今まで青色承認を受けることができるいずれの事業も営んでいない場合をいうのであり、従前から不動産貸付業を営んでいる場合は、その年の3月15日までに青色承認申請書を提出しないと本年は青色申告することはできません。
2.自宅でピアノ教室をしている人は、家内労働者の経費の特例を使えるか
家内労働者とは、家内労働法に規定する家内労働者や、外交員、集金人、電力量計の検針人のほか、特定の者に対して継続的に人的役務の提供を行うことを業務とする人をいいます
つまり、自分で生徒を集めて教室を開いている場合は、不特定多数の人に対して役務の提供を行っているため、家内労働者の経費の特例を使うことはできません。
ではどういった人がこの特例を使えるかというと、保険外交員、内職をしている主婦、一人親方等が家内労働者に該当します。
ここで複数の会社から内職の仕事をもらっている場合も、特定の者からの役務の提供に該当するため特例を使うことは可能です。
必ずしも一つの会社からしか仕事を受けてはいけないということではありません。
また、当該特例は実際かかっていなくても65万円までは必要経費として認めるという制度ですので、この特例と青色申告特別控除を両方適用することも可能です。
65万円と同額ですので混同しやすいのですが、あくまで制度としては別物です。
いかがでしたか?
今回は確定申告の注意点を一部ご紹介しました。
令和元年の申告期限は先日延長が発表され、4月16日(木)となりました。
あせる必要はございませんが、余裕を持ったご準備とご確認を徹底しましょう。