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セルフメディケーション税制について

いもので12月も半ばを過ぎ、今年も残すところ半月あまりとなりました。

師走の忙しい中、ご自宅の大掃除や資料整理などに取り組んでおられる方も多いのではないでしょうか。

今回はH291月より導入されたセルフメディケーション税制(医療費控除の特例)についてまとめました。

普段何気なく捨てている領収書の中に税金を安くするチャンスがあるかもしれません。年末の大掃除や片づけを行う中で参考にして頂ければ幸いです。

 

 1. セルフメディケーション税制とは 

これまで1年間に(1/112/31)に支払った医療費の合計が10万円を超えた場合、自身で確定申告を行う事により10万円を超えた額が所得から控除されて税金が還付、減額される医療費控除という制度がありました。

この制度自体は広く知られていますが、比較的健康でお医者さんに診てもらう機会が少ないため、この制度を利用出来るほど医療費を支払っていないという方も多いのではないでしょうか。

セルフメディケーション税制とは、そのような方でも、ちょっとした体の不調などでOTC医薬品をよく利用される方であれば一定の条件を満たせば税金が還付、減額されるという制度になります。

具体的には、医療用から市薬品となった「スイッチOTC医薬品」の中で、特定の成分を含んだ医薬品の年間購入額が12千円を超えた場合に適用されます。

購入金額の上限は年間で10万円までとなっており、12千円を差し引いた88千円が所得控除の対象の上限となります。

対象となる医薬品はアレルギー薬や水虫薬の一部も含まれているため、市販の薬で治療を続けている方にとっては利用しやすい制度になります。また自分の購入費用だけではなく、生計を一にする家族や親族の合算で申告することもできます。

ただし、1年間に自己負担した医療費が自分と生計を同じくする家族の分と合計で10万円を超えた場合に、従来の医療費控除制度とセルフメディケーション税制の併用をする事は出来ませんのでご注意下さい。

 

2. 対象となるOTC医薬品とは

OTC医薬品は、医師の処方箋がなくても薬局やドラッグストアで購入できる薬の事で、かぜ薬や頭痛薬など多様な薬が対象となります。しかし、セルフメディケーション税制は全てのOTC医薬品が対象になるわけではなく、医療用医薬品でも使われている83成分を含む1600品目が対象になります。 

対象となる特定の成分を含んだOTC医薬品は厚生労働省のHPで確認する事が出来ます。

また対象となるOTC医薬品の商品パッケージには「OTC医薬品対象」などのマーク が記載されていたり、OTC医薬品を購入した際にはレシートにも対象のOTC医薬品である事が記載されていますので、そちらで対象であることを確認する事も出来ます。

 

 3. 最後に

普段医師による診察や治療を受ける事が少ない方でも、セルフメディケーション税制を利用することで、普段ドラッグストアやスーパーで購入している身近な医薬品で税金を安くする機会があります。

年末の大掃除などで改めて領収書を見直してみるのも良いかもしれませんね。

また、確定申告のご用命などもありましたらお気軽にご相談下さい。

 

 

 

 

 

2017年12月18日

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