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「赤字にすれば税務調査が来ない」は大きな誤解。全調査の3割は赤字企業に!

春は税務調査が多い季節でもあります。「うちは赤字で税金を払っていないから税務調査は来ない」。こんなことを考えている方は少なくないでしょう。

しかし、赤字会社には税務調査が入らないものなのでしょうか?

赤字法人への調査数のうち7割近くが否認

国税庁が発表しているデータによると、平成18年度の税務調査の総数は約147000件。そのうち赤字法人への調査数は45000件前後に上ります。その割合は約30%。全調査の3割は赤字法人への調査なのです。この数字だけを見ても「赤字企業には税務調査が来ない」とはいえないでしょう。

そして、赤字法人への調査数45000件のうち、否認等に至ったのは約3万件、不正が見つかったのが約11000件に達します。ここまで見ると、赤字法人であっても、税務調査の足音が忍び寄っていることが手に取るようにわかります。それだけでなく、一定の割合で否認事項が出ているのです。

調査後の「赤字→黒字」が7000件

また、赤字法人への調査数45000件前後のうち、赤字が黒字にひっくり返った件数は、全体の15%に相当する約7000件。役員報酬を高めにするなど、なんらかの調整をして赤字決算にした法人が、税務調査によって決算内容を覆されたことになります。

どんな企業でも税務調査が来る可能性があります。具体的な準備や心構えを万全にして対応にあたりましょう。

2012年12月04日

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